保険診療の現実
接骨院の世界には、長年にわたって続いてきた問題があります。
知れば知るほど、気分が悪くなる…
保険診療における不正請求の問題です。
不正請求の実態
接骨院における保険の不正請求には、いくつかのパターンがあります。
受傷理由の改ざん(傷病名の捏造)
保険が適用されるのは、骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷などの急性外傷に限られます。慢性的な肩こりや腰痛には適用されません。しかし「捻挫」「打撲」と傷病名を書き換えて請求するケースが存在します。
部位転がし
同一部位への継続請求に制限があるため、架空の別部位に「転がし」て請求するやり方です。
来院日数の水増し
実際には来院していない日を、来院したものとして請求する行為です。
部位点数のノルマ化
1回の来院で請求できる点数を上げるために、実際には施術していない部位を追加するよう、スタッフにノルマとして課す院があります。
共犯者
不正請求の指示を受けた側も、「共犯者」と見なされます。
言い訳は無用、社員やパートさん、アルバイトでもその事実を知っていればお縄です。
「院長に言われたからやっていただけ」は、免責の理由にはならないのです。
実際に私のクライアントの接骨院に、こんな経緯で入社したスタッフがいます。
彼は免許取得後、チェーン院で1年間働いていました。
しかし、そこでは
「点数を増やせ」「捻挫や打撲にしろ」という指示…
そして事もあろうか「ノルマ」まであった様なのです。
だからこそ、彼はそんな環境に耐えられなくなり、
「治すために施術の世界に入ったのに、やっていることがおかしい」と感じ、
「クリーンな院で、本当の意味で患者さんを助ける仕事がしたい」という思いから求職活動をして、
私のクライアントの院に転職してきました。
「その院は先輩や同僚もいるよね?
彼らはどの様に働いているの?」
という私の質問に彼は
「皆、何も思っていません。
本部が言う通りにやらないと
評価に響くからと、言われた通りにやってます」
と答えてくれました。
組織が丸ごと「麻痺している」のです。
彼は赤ちゃんが生まれたばかりだそうです。
そんな中での求職活動は
とても勇気が必要だったでしょう。
私は彼に
「良心を裏切らずに行動した君は
とても立派です。
素晴らしい施術家になってね」
と伝えました。
彼は少し照れた顔で、
でもとても誇らしく
「はい!」と元気に返事してくれました。
商売ではなく詐欺
不正請求が発覚した場合はどうなるか? おそらく先生達もご存知なはずです。
- 保険請求の遡及返還(数年分の不正請求額を一括で返還)
- 保険取り扱いの停止
- 最悪の場合は刑事事件…。
実際に私が知る範囲でも
ダークな噂が絶えなかった接骨院の院長が
実際に刑事事件として取り上げられ、
廃院になりました。
「ちょっとくらい」が積み重なって、
取り返しのつかない事態になった院も見てきました。
と言うか、この「詐欺的な経営の仕方」は
昔から脈々と行われてきたものでもありました。
いつまでも罷り通ると思ってるのかな?
と逆に疑問に感じます。
保険診療をするならするでクリーンに行う。
儲けが少ないと嘆くなら、自費診療に切り替える。
特に今はこの様な中途半端な姿勢だと、
ゆでカエルの様に、
いつしか業界から消えてしまう時期だと感じます。
保険の不正請求は詐欺です。
商売ではありません。
商売ではない経営スタイルは、
経営者自身だけでなく、ご家族や親類縁者はもちろん
そこで働くスタッフの未来も、患者さんの信頼も、
全てが崩れてしまいます。
特に患者さんに対しては
現在進行形で裏切り続けているのです。
長く残る院作り
と言う感じで、保険不正をしなければ「割に合わない」と感じる院は、
もはやビジネスモデル自体を見直す時期に来ています。
自費診療は治せる証は、その一つの答えです。
患者さんに「治す」「寝たら戻る身体に戻す」と言う本来の価値…先生の技術や知識、体験の全てを届け、その対価を堂々と正当に受け取るのが、長く続く院の条件です。
ただでさえ、整体院や接骨院が10年後に残る確率は5〜10%。
始めるのは誰にでも出来るけど、
残り続けるのはほんの一握りなのです。
クリーンな院は腕も良いし、知識も豊富です。
クリーンな院には、クリーンな患者さんが集まります。
クリーンな院には、クリーンなスタッフが集まります。
そして、この原則は、どんな時代になっても変わらないのです。
よくある質問
保険診療だけで院の経営を続けていくことはできますか?
現状の診療報酬体系が続く限り、保険診療だけで利益を出し続けることは非常に難しい状況です。点数の見直しや施術制限の強化が進む中、多くの院が自費メニューの導入や保険・自費の組み合わせに移行しています。まず「保険でしかできないこと」と「自費でしかできないこと」を整理することが出発点です。
自費移行を患者さんに受け入れてもらうためには、何が重要ですか?
最も重要なのは「なぜ自費診療が必要なのか」を患者さんに丁寧に説明することです。保険診療の制限内では提供できないケアがあること、自費だからこそ根本改善に取り組めることを、専門用語を使わず、わかりやすく伝えましょう。信頼関係ができている患者さんほど、説明を受け入れてくださいます。
保険改定のたびに経営が不安になります。どう備えればいいですか?
保険改定に左右されにくい経営基盤を作ることが根本的な対策です。具体的には、①自費メニューを1つでも作る、②既存患者との関係を深めてリピートを安定させる、③口コミ・紹介が自然と生まれる院づくりをする、の3点から着手することをお勧めしています。
患者さんが通い続けてくださる院づくりの具体的な方法を、セミナーや勉強会でお伝えしております。
ご質問やご相談がございましたら、公式LINEからどうぞお気軽にご連絡ください。
👉 公式LINE:https://lin.ee/tpXecjZ
望月まもる(集客支援コンサルタント)
地域の商いを見続けて40年。整体・接骨院の勉強会で約10数年講師を務めております。商工会や行政、工務店・リフォーム会社、各種サロンなどの業界団体でも、セミナーや講義・勉強会・研修を行っております。クライアントは、接骨院・整体院・各種サロン業・物販・通販会社・製造業・学習塾・音楽教室・リフォーム会社・工務店・ポスティング会社など多岐にわたります。著書:「儲けるポスティング損するポスティング」「『集める』から『集まる』店へ」