お客さんは「数」なのか
「お客さんが少ないんです」と嘆く商売人を、これまでたくさん見てきました。
その人たちは「新規客を獲得しなきゃ!」とSNSの更新や広告を回し、あちこちから掛かってくる営業にもすぐ飛びつきます。
「もっと知ってもらわなきゃ、もっと広げなきゃ」と頭も手も止まらず動いているけど、どこか空回りしているのです。
そして彼らはこう言います。「集客しなければ食べていけませんから」と。
そうですよね。だから皆、外へ外へと走るし、その気持ちは痛いほど分かるのです。
でも、ここで一度だけ、よーく考えてみませんか。
お客さんが少ない時こそ、減ってきた時こそ、外を追う足を止め、向きを変えるのです。どこに?「外」ではなく「目の前」に、です。
お客さんを「数」で見ていませんか?
そもそも「お客さんが少ない」とは、どういう事でしょう。もしかすると、あなたは今、お客さんを「数」で見ていませんか。
今月何人来たか。先月より増えたか、減ったか。しかし、商売人の目は少し違うのです。
1人のお客さんは、1回きりの売上ではありません。その方が来月も来年も通ってくださったら。お店を気に入って、ご家族やご友人を連れてきてくださったら。
あなたが「ただの数字」にしていた1人が、生涯を通じてあなたにもたらすものがあるのです。だからこそ、ただの数字にして流すなど、とんでもないのです。桁が違うからです。
これを難しい言葉で「生涯価値(LTV)」などと呼んだりします。ま、呼び方はどうでも構いません。
大事なのは商売の法則です。「見知らぬ100人を追いかけるより、目の前の1人と長く深く付き合った方が、商売は続いていく」という原理原則があるのです。
HPなしでも商売が成り立った理由
私はこの5年ほど、HPを持っていませんでした。ある日、原因不明で飛んでしまったのです(コロナ騒動が始まる頃でした)。
直後は「あちゃー、どうしよう」と思いましたが、すぐに「ま、良いか」と放置を決めました。
なぜなら、その時すでに長く付き合っている方達に支えられており、HPではなくご紹介や口コミで商売が成立していたからです。
私のクライアント数は13件ほどで、決して多くありません。しかし、私にとってお客さんは「数」ではないと、お分かりいただけたと思います。
「少ない」と嘆いていても、その中に存在する一人ひとり。実はその方々こそ、大きな宝なのです。
その一人を、どう大切にするか
では、その一人をどう大切にしましょうか。と言っても、特に難しい事ではありません。
まずは名前を覚え、お話しした事を覚え、お話しするだけで良いのです。
「そういえば、息子さんの受験どうでした?」と、次にお会いした時に聞いてみれば良いのです。
最近お顔を見ていない方に、「お変わりありませんか」と手書きのハガキを送ってみるのも大切です。
皆メールやLINEばかりの今、紙に手書きでその人への言葉をしたためてポストに投函する。それほど難しい話ではないですよね。
でも、この「たったそれだけ」を続けられる商売人が、驚くほど少ないのも事実なのです。
集めるのではなく、集まる
お客さんを想ったり、思い出したり、時間をかけるのは、売上を上げるための「技」ではありません。ノウハウでもテクニックでもなく、人としてあなたにその気持ちがあるか、という事なのです。
ネットを見ると数値や効率化の話ばかりなので誤解してしまうのもよく分かりますが、商売の法則では順番が逆なのです。
集客(集めようとする手法)が先にあるから人が集まるのではなく、心から自分を思ってくれる人の所に、結果として人は集まってくるのです。
本当の集客は、集めるのではなく、集まるのです。
さぁ、これを知ったあなたは今、誰を頭に思い浮かべていますか。まずはその方に、一言届けてみませんか。
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望月まもる(集客支援コンサルタント)地域の商いを見続けて40年。整体・接骨院の勉強会で約10数年講師を務めております。商工会や行政、工務店・リフォーム会社、各種サロンなどの業界団体でも、セミナーや講義・勉強会・研修を行っております。クライアントは、接骨院・整体院・各種サロン業・物販・通販会社・製造業・学習塾・音楽教室・リフォーム会社・工務店・ポスティング会社など多岐にわたります。著書:「儲けるポスティング損するポスティング」「『集める』から『集まる』店へ」