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2026年7月11日 サロン 商い全般 工務店・リフォーム会社 整体院・接骨院 製造業

江戸のカオスな商売人

前回まで日本の商売の崇高な歴史を辿ってきました。

三方よし。職業即仏行。

実の商人は、先も立ち、我も立つ。

しかし…本当にこんなに崇高だったのでしょうか?

いいえ😂

現実の江戸の商売は、

もっと泥臭く、もっとたくましく、

そして時に、ずいぶんと怪しいものでした。


まず江戸幕府は「士農工商」という

身分制度を設けました。

商人は、最下層です。

「物を作らず、右から左に流して金を取る」「お金の為に生きる卑しい人達」と見られていたからです。

農民は汗を流して米を作り、

職人は手を動かして物を作りますが、

商人は何を作っているのだ?という蔑みが、当時の社会に根強くありました。

また「金のために動くのは卑しい」という価値観は、武士道の「清貧」を美徳とする文化とも深く結びついていました。

お金を欲しがることは、

恥ずかしい事である。という刷り込みは、日本人のお金への複雑な感情・概念として現代にまで続いています。


しかし、実は江戸時代の商人たちは、とてもしたたかでした。

身分は低くても、財力は武士を遥かに超えていました。

なので、お金に困った武士が、

頭を下げて商人から金を借りていたのですね。

「身分は上だけど財布は空」の武士と、

「身分は下でも蔵は満杯」の商人と言う身分の逆転現象が、江戸の町のあちこちで起きていました。

商人たちは表向きには、腰を低くして武士に従いながら、裏では「お侍さんも、お金がなければうちに頭を下げに来る」と、密かにほくそ笑んでいたかもしれません。


さて、ここからが本題ですが、前回、越後屋が「現金掛け値なし」を販売革命として打ち出したとお話ししました。

しかし、それ…

裏を返すと、それまでの商売は「掛け値あり」が当然だったという事なのです。

同じ品物をお客さんによって値段を変えてみたり、

「あの旦那はお大尽だから、

ちょっと色をつけておこう」

「このお内儀さんは値切り上手だから、

最初から高めに言っておこう」

というのが日常でした。

値段交渉は商売で当然でもありましたが、同時に騙しの温床だったのです😂

士農工商の際、商売人は自分達でも

「ま、(騙してる)我々は1番下でも仕方ないか」と思っていたらしいのですが…自覚があったんだね😂


そして、もっと露骨な騙しの例もあります。それは「見世物商売」です。

江戸の盛り場には、それはそれは様々な見世物小屋が立ち並びました。

「世にも珍しい蛇女」

「三本足の犬」

「南蛮から来た不思議な石」…などなど。

そして、その多くはもちろん、

巧みな仕掛けと話術によるでたらめ・インチキばかりでした。

しかし…ココがポイントなのですが、江戸の人々は、それを知りながら楽しんでいた節もあると言うのです。

「騙される方も悪い」という

江戸っ子の粋な姿勢が

騙しやインチキ商売を支えていたと言うのですから、何とも大らかです。

落語の「時そば」をご存知ですか?

そば屋に蕎麦代の「十六文」を払う際に

「一つ、二つ……」と一文銭を数えながら

途中で「今、何時だい?」と聞き、

「九つ」と答えさせ、そこから誤魔化して数えるお話です。

そして、これを聞いた別の男が「そりゃ良いアイデアだ!」と真似をし、逆に蕎麦屋の店主に何時か聞かれ、多く答えて支払うという古典落語です。

とまぁ、この詐欺ともイタズラともつかない「小賢しさ」を江戸の人々は笑いながら楽しみました。

「悪い事とは知っているが、うまくやれたら痛快だ!」という感覚は、江戸の商売文化のコミカルな一面でした。


他にも「その日暮らし」の商売も、

江戸の風景として欠かせません。

江戸の町人の多くは長屋に住む「棒手振り」という商売人ばかりでした。

天秤棒を担ぎながら、

今日は豆腐。明日は金魚。

明後日は風鈴…と、毎日違うものを売り歩くのです。

季節と気分と「何が売れそうか」の勘だけで動く、極めて即興的な商売です。

事業計画もマーケット分析も、

ブランディングも何もないのよ😂

私は江戸時代の商売一覧が掲載されている本を持ってますが、そこには耳かき一本を持って街に立ち「耳かきしないかね?」と声を掛ける商売も紹介されてました。

「売れたら今夜の酒代になる。売れなかったら明日また考える」という「宵越しの金は持たない。明日は明日の風が吹く」と言う、この何とも呑気で微笑ましい商売が、江戸の経済を底辺で支えていたのでした。

しかし…実はここに素晴らしい知恵と工夫もありました。

棒手振り達は、

声が商売道具だったのです。

「と〜ふ〜」

「金魚えー、金魚」

「竿竹や〜、竿竹」

この売り声は単なる売り口上ではありません。江戸の季節の声、町の声、人の声でした。

金魚売りの声で夏を感じ、

焼き芋売りの声で秋を感じるのです。

商売の声が江戸の町の「音の文化」を作っていました。

広告費もなく、ホームページもなく、SNSもない時代に、

「声」一つで人を引きつけた商売人たちは、本能的に「伝える」ことの本質を

知っていたのかもしれませんね。


と言う感じで、誠実な商人がいれば、ずる賢い商人、悪い商売人もいるし、崇高な哲学があれば、その日暮らしの即興商売もありました。

このカオスぶりが江戸商売の真実です。

しかしその混沌の中から、誠実さを貫いた商人だけが長く残り、のれんを次の世代に渡せたのも事実。日本には他国の歴史を凌ぐほど、長年営業し続けてる老舗が多いのも、この背景があったからなのです。


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望月まもる(集客支援コンサルタント)地域の商いを見続けて40年。整体・接骨院の勉強会で約10数年講師を務めております。商工会や行政、工務店・リフォーム会社、各種サロンなどの業界団体でも、セミナーや講義・勉強会・研修を行っております。クライアントは、接骨院・整体院・各種サロン業・物販・通販会社・製造業・学習塾・音楽教室・リフォーム会社・工務店・ポスティング会社など多岐にわたります。著書:「儲けるポスティング損するポスティング」「『集める』から『集まる』店へ」

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