口コミと紹介と地道さ
「口コミが広まってほしい」と思っている先生は多いです。
これをお読みのあなたも、そう願ってますよね。
良い施術をして、患者さんが喜んで帰っていく。「あの先生は良かったよ」と友人や家族に話してくれれば…と思っているでしょう。
しかし…現実はどうでしょう?
「口コミが広まらない院」と「広まる院」の差、実は「施術の質」ではないのです。
口コミが広まる条件
マーケティングの研究では、
顧客が「口コミをする」のは、「満足」した時では無く「感動」した時だ。と言われてます。
「満足」とは「期待通りだった」という体験です。良い施術を受けて「良かった」と感じた場合は満足になります。
しかし…「家族や友人に勧めたい!誰かに言いたい!聞いて欲しい!」という行動を起こすほどの動機にはなりにくいのです。
「感動」とは「期待を超えた」体験です。
「名前を覚えてくれていた」「こんなことまでしてくれるとは」「帰り際にわざわざ見送ってくれた」…etc
お客様の予想を超えないと、感動は生まれません。飲食店なら美味しい、映画でも面白かったレベルでは心は動かないのです。
何故なら…それは各業種とも「当然提供してもらえるであろう」という予測の範囲内だからです。
だからこそ、「まさかここまで」という体験をした時、人は「誰か聞いて!」という気持ちになるのです。
さて…先生の院では患者さんが「感動」する体験が出来てるでしょうか?
もし「うちは医療だから不要だ」と考えてるなら、それは商売人としてピントがズレてますよ?
何故なら医療だろうが士業だろうが、こちらがサービスを提供し、お客様からお金(対価)を頂戴するのは、全て商売だからです。
物言わずに離れていく人達
さてもう一つ、衝撃的な研究データがあります。
消費者行動の研究によれば、商品やサービスに不満を持った顧客のうち、苦情として申し出るのはたったの2〜4%です。
残りの96〜98%は…
何も言わずに離れていくのです。
そしてこれは、評判が広まる場面でも、同じ構造が働いています。
せっかく先生から素晴らしい施術を受け、素敵なやり取りをして、患者さんが「この院に出会えて良かった」「先生ありがとう!」と感じても、
何も言わずに帰っていく患者さんが、圧倒的多数なのですよ。
切ない…。
忍びない…。
日本人はシャイ…。
と、この様に「良かった」「満足した」と感じながらも、黙って帰るのが多くの患者さんの実情です。
先生はこの現実を知って、何を感じますか?どう思いますか?
口コミを依頼しよう
私が直接聞き取りをすると、「口コミをお願いするのは恥ずかしい」と思っている先生は少なくありません。
しかし…良いですか?
患者さんは、先生が口コミを望んでいることを知りません。
「この素晴らしい院での体験を誰かに話そう」など考えてもいないのです。
先生が「紹介していただけると嬉しいです」と一言伝えるだけで、患者さんは初めて「え?誰かに言って良いの?」と認識します。
これを「許可を出す」と言います。
「紹介してください」という言葉は、患者さんに「紹介しても構いませんよ」という許可を渡すことです。「口コミを書いてください」も同じで、「書いても良いんだよ」という合図なのです。
患者さんは許可を得て、初めて「あぁそうか」となります。
と、何故私がこれを書いてるかと言うと、院という場所は職種柄もあり、分かりやすい感動やサプライズをしづらい場でもあるからです。
冒頭で紹介した「予想を超える◯◯」も、例えば寝た切りの方がスキップして帰宅したり、松葉杖で来院した方が松葉杖を忘れて帰るほどの衝撃が無ければ、家族や友人に話したりしないでしょう。
しかし、先生は確実に患者さんに手渡してるものがあります。
患者さんは
腰痛や肩こりが少しずつ緩和され、
姿勢が整うごとに疲れづらくなり、
足先の冷えが取れたり、
体力が戻って来たりと、
じわじわ自覚出来る宝物を受け取ってるのです。
だからこそ、
紹介してください、口コミ書いてください、と伝えると、そこでようやく
「先生を誰かに紹介できるんだ」と認識します。
そして、ありがたい事に、
先生から色々受け取った患者さんは、
誰かに「あの院でこんな素敵な施術を受けたんだよ」「こんな良い先生がいるよ」と話してくれます。
その上、患者さん自身は話しながら「先生に良い事をした」「先生に恩返し出来た」という満足感も得るのです。
紹介や口コミを依頼するのは、患者さんへのお願いではありません。患者さんに「良い事をする許可と機会」を渡す事なのです。
口コミが生まれる関係性
口コミが広まる院に共通していることがあります。
患者さんが何故か自然に「この先生を家族や友人にも話したい」という気持ちが出てくる…そうした関係性があるのです。
その関係性は当然、施術・技術だけでは作れません。
「名前を覚えてくれている」
「体の状態や変化を毎回伝えてくれる」
「来るたびに学べる」などの積み重ねの中から生まれます。
私のクライアントさんの院長は、
とにかく元気付けたり、勇気づけるのが上手です。
それもそのはず。
何故なら院は、どこかが痛い人や不調を抱えた人が日々訪れる場所です。
だからこそ院長は、
「◯◯さん、必ず良くなるので安心してくださいね!」
「◯◯さん、もう少しで大好きなサッカー出来ますよ」
「◯◯さん、いつも予約時間前に来てくれて、本当にありがとうございます。とても助かってます」
など、常にポジティブな言葉掛けをする事で、患者さんの気持ちを前向きに運んでいるのです。
またこの院の受付さんなどのスタッフさん達も同様で、各々が各患者さんに笑顔で声掛けしており、中にはファンがついてる方も居るほどです。
そして、別の院でもこんな事がありました。
その女性施術者は、院が開業して3年目に採用しました。最初はなかなか慣れなかったけど、とても真面目な性格なので次第に腕を上げ、それに比例しながら担当する患者さんの数も増えて行きました。
生産性も大変高かったので院としても助かる方であり、手の感覚も優れてるので「治せる先生」として評判も人気もありました。
彼女は4年ほど働いてくれましたが、結婚を機に引っ越す事になってしまいました。
とても素晴らしい人財なので、院長は惜しみながらも、彼女の門出を…と思ったら、なんと彼女の患者さん達が総出で「お祝いとさようなら」をしてくれました。
彼女が勤務する最後の1か月は圧巻で…
毎日の様に、患者さんに頂いた何かしらを手にしながら帰宅しており、時にブランド物の紙袋や、大きな物だと高価な空気清浄機までプレゼントしてもらっていたそうです。
当然、この院では紹介のお声も多く入りますが、その内容は各施術者さんとの関係の良さが現れてるものばかりです。
巷には意図的に感動体験を作ろうとしたり、わざとらしい気遣いを見せたりしながら、評判を集めようとする院も多いものです。
またGoogleは禁止・罰則規定があるにも関わらず、今だに景品や金券で評価を釣ろうとする店も多くあります。
しかし、本来の口コミや紹介は関係性から生まれます。だからこそ、先生が「◯◯さん、口コミお願いします」と、依頼できる関係性を育てるのが、とても大切なのです。
ちなみにこの口コミですが…最適なタイミングもあります。あなたの院でも研究してみては?
よくある質問
口コミをお願いするのは恥ずかしいのですが、どうすれば良いですか?
口コミを依頼することは、患者さんに「良いことをする許可と機会」を渡す行為です。患者さんは先生から多くを受け取っています。「誰かに紹介して良い」と知るだけで、喜んで口コミを書いてくださる方が増えます。遠慮せず、自然な会話の中でお伝えしてみてください。
口コミをお願いするベストなタイミングはいつですか?
患者さんが「良くなった!」と実感したタイミングが最適です。たとえば、長年の腰痛が和らいだ日、初めて痛みなく眠れた翌日、体の変化を喜んでいる瞬間などです。感動が新鮮なうちに「ぜひ口コミを書いていただけると嬉しいです」と一言添えましょう。
紹介や口コミが増えれば、新規集客はしなくても良いですか?
口コミ・紹介が安定してくると、広告費をかけなくても新しい患者さんが訪れるようになります。ただし、口コミは関係性の積み重ねで生まれるものなので、既存患者さんとの信頼関係を育て続けることが大前提です。口コミが増えてきたら、次は「紹介者への感謝」を仕組みにすることが次のステップです。
患者さんが通い続けてくださる院づくりの具体的な方法を、セミナーや勉強会でお伝えしております。
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望月まもる(集客支援コンサルタント)
地域の商いを見続けて40年。整体・接骨院の勉強会で約10数年講師を務めております。商工会や行政、工務店・リフォーム会社、各種サロンなどの業界団体でも、セミナーや講義・勉強会・研修を行っております。クライアントは、接骨院・整体院・各種サロン業・物販・通販会社・製造業・学習塾・音楽教室・リフォーム会社・工務店・ポスティング会社など多岐にわたります。著書:「儲けるポスティング損するポスティング」「『集める』から『集まる』店へ」